2008年07月06日

シチズン・ドッグ


『怪盗ブラック・タイガー』の衝撃が忘れられず…
同じ監督さん(ウィシット・サーサナティヤン)の作品
『シチズン・ドッグ』を観に。


最初から指を切り落としたり、指違いの友人が出てきたり、
なぜかミュージカル調だったのには驚きました。
うかうかしていると、
現実世界に置いてけぼりにされそうになります。


ただ少し期待していたものと違いました。CG多くて。
この人のCGの使い方は好きなのですが、
『怪盗〜』の時の方が面白かったです。
前作はCGっていうか・・・風景が絵だったりしましたからね。


タイ映画には今後も期待しています。
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2008年07月05日

大人騙し


たまに封切り映画を観にいくと、人の多さにびっくりです。
『アフタースクール』観に行きました。
『運命じゃない人』の内田けんじ監督作品。


前作は何も知らずに観に行った為、
企みのままにひっかけられていましたが、
今回は「内田監督だから…」と
最初から落とし穴にはまる心づもり。

内田監督はシーンにカメラを残していくで、
どれもこれもが罠なのではないかと疑ってしまいます。
でも、本当の罠はもっと別の形で用意されていて…。
結局、構えているかどうかに関係なく
思いっきりひっかかってしまっています。


監督自体の知名度が上がってしまい、
役者も有名どころで固めていたので、ひょっとしたら
小気味よさが減ってしまうかなぁという懸念があったのですが
頭のいい脚本家さんでもあるので
そこはあまり気にならなかったです。
ただ、やっぱり小回りが効いている前作の方が
スカっと度は高かったですが。



この人の企みを、すべて見つけて「わかる」ようになるには
何度も観るしかないのだろうな。
何度観ても楽しめる映画だとは思いますが。
でも、ひとつひとつの紐解きの衝撃はきっと
初回が一番大きいです。
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2008年07月04日

この作品が組まれていなければ喜重特集じゃないし、
この作品を観にいかなければ私じゃありません。

私なので、行きました。
『さらば夏の光』


世界地図を歩くシーン
すれ違うシーン
再会のシーン
口紅のシーン

最初に観たときからこの映画はいくつもの場面を
心にひっかけて流れていきます。

ほぼ二人しかいないのに、
会話や動きというより言葉と空気で進んでいく。
最初に観たのがこれだったから、あまり気がつかなかったけれど
喜重映画の中でもかなり詩的で、
ヨーロッパ的・ロマンチックな質を持っている作品だと。
それでいて地名・ナガサキが核にある。
"核"…。
本質というのに近い意味で使った言葉だけれど、
文字にするとナガサキと別のところでつながりますね。
夏の光もすぐそこまでやってきています。



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2008年06月30日

男装の麗人



「なにしろ、美輪明宏が男装で出ているんですよ。」

by白坂依志夫さん。
特集を観にいったのも最後です。


そりゃ、「なにしろ」ですね。初めて観ましたよ、男役…。
緑魔子は、あの人やっぱりおかしいですね。
石橋蓮司と結婚するだけあります。すんばらすんばらシーですよ。
熊倉さんも出てました。少しだけ。
あ、あと、大悟さんも…。

吃りのヒトビトによる演劇(吃音治療プログラム)。
ちょっとミュージカル調。もっと埃臭い感じですが。
オープニングの寄せ書きスタッフ一覧や
シーンのつなぎが汚い演劇場っぽい。
からくりもいろいろあるし、
袖を釘にひっかけちゃいそうなギシギシ木造感がありますよ。
(伝わらないだろうな…。)

しかしまぁなにしろ、
美輪さんが男装です。
あの方は女性ではないんだけど、
やっぱり真正面から男性やられると違和感しか残らない。
丸山様っていう生き物なんだろうな。
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2008年06月29日

born




トークショーはさんでもう一本。
『炎と女』

2回目です。
(→2007年02月03日記事 「固有名刺社会」)
あぁ、「産む機械」からもう1年半も経とうとしているのですか。
前回は家で観ましたが、今回は映画館で。


大体の印象は前回記事にあらかた書いてあるのです。
過去の自分と対峙してしまうと、
前回が完璧でなくったって現在はしぼんでしまいます。
木村功さんをほめちぎり忘れてるくらいですか。
木村さんの演技の在り方は
自分の中で喜重の象徴でもあります。
抑揚のない、はがれおちるよな台詞・表情・たたずまい。

この映画は他作品と比べても
「問いかけ」の度合いがかなり強く感じます。
脳みそが疑問符でいっぱいになってしまう。
産むとはどういうことか?産まれるとは?
乾いた疑問符がとめどなく生まれていきます。

「あなたはあたしの子なんですからね」



長谷川元吉さん、カメラじゃないけどスタッフにいました。
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告白的女優論




キャストの入り方だけでもショックで総白髪。
なんでこういうことができてしまうかな。
喜重の『告白的女優論』


女性ですよね、やっぱり、喜重はね。
文化的な性とか肉体的な性にとどまらなくて、
超俗的な女性を描きます。
信仰と言ってしまうとすこし嫌な臭いがつきまとうけれど。

女優が揃っていて、すごいんだけども
女優が揃っていても、喜重の作品なんですよな。


カメラがやばすぎると感じていたら、
長谷川元吉さんでした。『煉獄エロイカ』の。


さて上映後に喜重監督のトークショーが。
この映画館で行われるトークショーは
いつもあんまり(質が)良くないんですが、
この日はインタビュアーがいなかったので今までで一番良かったかな。
(カメラのフラッシュは焚きすぎですが。)


岡田茉莉子さんがいらっしゃらないとのことで、
ふたりぶんの「映画との出会い」を聞かせてくださいました。
「あたかも岡田が、ここにいるかのように」。

いろいろな興味深いお話をしてくれたのですが
とりあえず「話を聞いている」という状況があるだけで
理想の世界に溶け込んでいる気分。
心地よくて、刺激があって。

喜重はやっぱり
喜重はやっぱり。
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2008年06月28日

人間の約束

話を聞いた時には嬉しくて小躍りしました。
もう家には帰れない。
結果としては、当初はしゃぎながら立てた予定ほどは
そこに行けなかったわけですが
でもそれはそれは、充ち充ちた心だったのです。

吉田喜重特集!!

一番やってほしかった映画館での開催ではなかったのですが
それでも嬉しいは嬉しかったのです。


ます観たのは、『人間の約束』




喜重監督が13年間映画と距離を置いた後つくられた作品。
岡田茉莉子さんが出ていなかったというのもあるのかもしれませんが
それでもなんだか、
これまで観た喜重作品とは一線を画している様な印象でした。


だってなんだか、広いです。捉えるものが。
これまではごくごく小さな範囲から、
性であったりイデオロギーであったりを
四次元的に魅せていましたが
今回のはもともとの単位が、少し広めだったのです。
社会というか…。
まず映画が始まったとき、普通の映画と同様、
形としてのリアリティがありました。
会話がかみあってるというか。


なんで、
喜重映画じゃないと言われれば信じてしまいそうになりますが、
でも喜重だからああいう風になったのかなとも考えたりして。
いろんなシーンがどこかにひっかかったり
心の奥底に沈澱してたりするので、
考えれば考えるだけ、怖くなるのですが。


たとえば息子の言葉(痴呆に走る祖父母への侮蔑の言葉)
に対する父親の叱咤が
「人間には、口にだしてはいけないことがある!」。
これって、考え自体は否定していないっていうことでして。
「人間の約束」というタイトルを思い出すと
さらに背筋がぞっとしてしまって。

水鏡というモチーフもまた。
ただの鏡でさえ、ずれがあって怖いのに、
さらに揺れまで。


病院の「10円」おばあちゃんのシーンでは頭が真っ白になるし。
こわいこわい、こわい映画です。
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2008年06月24日

一回観た作品だったのですが、走りました。
『盲獣』
白石依志夫さん特集その5。


最初に観たとき(→2006年09月23日記事 「異 触 獣」)は
乱歩原作、増村と緑魔子、という点で呼び寄せられました。
今回は船越さん再評価の意味もこめて。
60年代になると、あんなにも危ない人になってしまう。
色気は相変わらずですけど、
役の不気味さと相まって、ヘビナワ調。


2年のうちに原作も読みましたが、かなり違いますね。
乱歩自身の評に、

「この作品に取り柄があるとすれば、
〈触覚芸術〉という着想であろう。…(略)…
もしこの着想だけを中心にして短編小説を書いたら、
面白いものができたかもしれない。」
      (江戸川乱歩全集3「蜘蛛男・盲獣」より)

というものがありますが、
それを実現したらこういう作品になったのかもしれません。


でも、触覚の世界に溺れていく2人といっても、
最終的には自分の痛覚に走ってしまってますね。
2年前には思いつきませんでしたが
そもそも触覚がはたらくのって、
触るときなのか触られるときなのか。

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2008年06月22日

ヒルガオ科




ルイス・ブニュエルの『昼顔』と、
昼顔の「その後」を撮ったオリヴェイエラ監督の『夜顔』二本立て。


ブニュエルの奇妙さはこの作品に限ったことではないけれど、
やっぱりワケワカンナイ。キモチワルイ。
生理的に、吐きそうになる空気を
なぜかカメラワークとか、脚本だけで作ってしまう。
昼間、夫に秘密で娼婦をする妻…と、
それだけだったらば単純に進むはずなのに
どうしてこうも、不快感を感じさせるリズムを作るのでしょう。
ダリの友人というのが頷けます。
たしかロルカも同級生だったんですよね。
スペイン、濃すぎです。






オリヴェイエラ監督作品は初でした。
うーむ、『昼顔』の続きを撮った作品、という時点で
きっと絶賛はしないとは思っていたのですが
やっぱり、興奮はできませんでした。

役者二人は上手かったし、
「撮る」のも高い技術を持ってるとは思いますが
どうも内容が。


「夫は知っていたのか」という主題以外のところで、
解釈を強く出し過ぎてます。
マゾだとか、夫を愛しすぎた故とか。
抵抗ある人も少なくないのじゃないかな。


ところで、「夜顔」ってあまり聞きなれなくて、
「夕顔」じゃだめだったのかな?と思ったら、
夜顔=夕顔だったのですね。
ヒルガオ科だそうです。
でもこの作品はヨルガオ科になっていて、
やっぱりブニュエルと同種とは思えません。
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2008年06月15日

1/3

脚本家・白坂依志夫さん特集その4
『嘘』

オムニバス映画です。
第一話「プレーガール」
監督:増村保造 脚本:白坂依志夫

これが白坂さん分。
プレーガールプレーボーイの男女のお話で、
軽快ですが、監督が増村なので、重心がちゃんとあります。
江波さんが少し出てますが、これが可愛くて可愛くて。

第二話「社用2号」
監督:吉村公三郎 脚本:笠原良三
叶順子さんが主演で、相手役が川崎敬三さん。
川崎さんも最近よく見かけますが、
自分の中では船越さんとセットです。
(第三話にちゃんと船越さんが出ています。)


第三話「三女体」
監督:衣笠貞之助 脚本:新藤兼人
脚本が新藤さんなので、
やっぱり乙羽さんが出ています。綺麗でした。
男を殺した女と、男の妻二人の三女体の話。
前2話に比べ、前面にシリアスが。
殺されるのが船越さんなのですが、
やっぱりこういういい加減な男の役が合うな。
太宰の役とか、できるかもしれない。


三話とも面白かった!です。嘘じゃなく。
オムニバスって、
短い時間で余韻が残してくれるものが好きなのですが
これはまさにそうでした。
でも長く撮っても面白そうなんでしたが。
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2008年06月08日

惜しまれつつ


脚本家・白坂依志夫さん特集その3
『永すぎた春』




若尾文子と川口浩って、どちらとも増村のイメージが強いんですが
これは別の監督さんです。
役柄も全然違うタイプですし。


もうちょっと危うげなお話かと思っていたのですが
さわやかな文芸ロマンでした。
やっぱり若尾さんでさわやかな純愛ものはどこか違和感があります。
原作が三島由紀夫っていうのも俄に信じがたい。
(読んでないからなんとも言えませんが。)


若尾さんより川口さんより、
兄役の船越英二さんの存在感の方が強かったです。
ここ最近、船越さんが出てくる映画によく当たるのですが
色男ですね。
『卍』『盲獣』から入ったので
どちらかというと個性派俳優かと思っていたら
若い頃(50年代)は軟派な役が多そうで、
印象が変わりました。
でもどっちも合ってるからすごい。
そういえば、昨年亡くなってしまったのですよね…。
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テラヤマ克服記





「映像実験ワールド」を五分で断念したのは19の頃でしたか。
それ以来、自分はいつテラヤマを克服できるのだろう、と
そんな意識が常にありました。
テラヤマをちゃんと観れないうちは、映画を語れないのでは、とか
一種の通過儀礼的な存在に。


それでようやくこの日、その境界線を渡ることができたのです。
それも突然2本立て。荒療治です。
『書を捨てよ旅に出よう』『田園に死す』


『書を〜』は舞台のようでした。
冒頭での主人公の独白から既に。
このひとはやっぱり一つのジャンルには留まれないのでしょうな。
文学だってどうしても入っちゃうし。
「お芝居みたい」な印象は劇中もずっとあったのですが、
最後の最後もカーテンコールみたいになっていて、更にでした。
身構えていたよりも観やすかったです。


『田園に〜』の方が、自分の中でのテラヤマイメージに近かったです。
主人公の男の子がかわいんです。
白塗りの村人や、
テント小屋の風船女。
それと、八千草さんの美しさったら!!

三上寛さんも出てました。
3月に観たとき、テラヤマ的なお方だと思ったら
ほんとにテラヤマ一族でしたな。
全然変わってません。


さて、2本、観れたわけです。
少しはあっち側に近づけたのかな。
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2008年05月31日

どえらいスズキ


友人ジャックさんと映画。
鈴木則文二本立てです。
『大阪ど根性物語 どえらい奴』
『温泉すっぽん芸者』
うら若きお嬢さん二人で行く映画じゃないですな。



『〜どえらい奴』は藤田まことさんが主役で、
相手役が藤純子さん。
葬儀屋のお話。ソクブン監督のデビュー作!

主人公の行動に今一つ共感を得られなかったのですが
原作のあるものだから、それを言ってもはじまりませんね。

コメディにはしあがっているし、
藤純子さんがプロポーズされるのではないかと勘違いするシーンの
「いかにも」なBGMや、はにかむ笑顔あたりは
則文監督っぽいとも思えたけれど、
基本的がとてもマジメ。
後の則文映画とは比べようもありません。


『〜すっぽん芸者』は、王道のソクブン映画。
山城新伍さんも名和宏さんも出ていますし。
おそらく、『温泉みみず芸者』(観てない)からの
流れでできた作品かと思われるので、
そっちを観ていたら笑える箇所がもっと多かったかもな。

映画のあと、則文監督と某映画評論家のトークショーが
あったのですが、
そこで某映画評論家が、

「すっぽん芸者は、敗戦の影なんかが
ふとした拍子に盛り込まれてて、すばらしい。
やはり監督にとってあの経験は…」と
カイセツを行いだしたのに対し、
「そうだねぇ」と頷く監督。
「こないだ聞いたときは全然関係ないって言ったじゃないですか」
「いやー、今のは、キミが喜ぶと思ってね」なんて言って、
会場を沸かせてました。
しかし則文監督は優しいですな。
おなじ鈴木でも、清順監督だったら一喝してるとこでしたよ。
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2008年05月26日

青い顔の男

脚本家・白坂依志夫さん特集その2
今回は、『女房を早死させる方法』

女房に愛想をつかした夫が、友人にそそのかされて
「女房を早死させよう」とあの手この手。
ほぼ同時期、夫に愛想をつかした女房は
友人にそそのかされて「夫を早死させよう」とあの手この手。
コメディですな。


夫の方に近づく「友人」が、早死計画を持ち出すときに
顔が青くなるんですよ。
どんどんどんどん青くなってゆくんですよ。
何度も何度でも青くなるんですよ。
斬新です。


展開は、『濡れた逢引』みたいになるのかと思いきや
逆パターンでした と、
思いきや〜 な流れ。
どちらにせよ、シリアスではなかったですが。


けど観ていてどうも、女房の悪いところがみつからなかったのですが。
「早死させる方法」も、夫の方がひどかったですし。
元をたどればあの青い顔の友人の案ではありますけど。
あの青い顔の…。


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2008年05月19日

ほら男爵の冒険



人生のベスト10にも入るかも…。
まさかこんなにいいとは思ってませんでしたよ。
カレル・ゼマン!すばらしい!


『ほら男爵の冒険』!素敵です!
彼もまた映像詩人。あと魔術師。
ほら男爵かっこよすぎです。トルコ語も万能だし、
月の友人なぞ目じゃないですよ。
でもでも、作品自体がとにかく素晴らしいです!
これぞイマジネーション。
これ以上の形容ができません。すごすぎて。


二本立てでこの『ほら男爵〜』の前に観た作品が
苛立ち・嫌悪感を覚えるほどにひどい映画、だったもので
尚更でしたね。
ちなみにこの、ひどい映画とは
『ストレート・トゥ・ザ・ヘル』
ほんとにまっすぐ地獄行きでした。
だからその分ほら男爵が、浄土。
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2008年05月18日

氾濫


『氾濫』
増村の映画です。
脚本家(白坂依志夫さん)特集での鑑賞だったのですが、
トークショーの予定も何もなかったのに、
白坂さんご本人が、挨拶に見えていました。
うわー…。


白坂さんの脚本作品を観るのは初めてではありませんでしたが、
意識したのは初でした。
すごいすごいすごい、上手いです。
増村も上手いから、すごく良い作品でした。

接着剤の発明から突然重役となった研究者とその家族と
その他もろもろの方々。
おのおのがおのおのの世界で
知らず知らずに「虚」に走っていく感じ。
しずかな「氾濫」があちこちでおこっているのだけれど、
それぞれゆるやかに繋がっていたりして。


研究者の同僚たちが、映画の最初と最後に顔をだすのだけれど
彼の態度ひとつをとっても、皮肉的な空気がめぐってます。
なにやら不気味で苦笑してしまう人間のうごきを
ラストシーンで男がパチっと表わしていて、
上手いなぁ。


若尾さんの使い方が贅沢でした。
役もまぁまぁ大きいけれど、若尾さんっぽくなかったので。
増村も若尾さんをこういう風に使うんだ、と。
あと、たぶん『痴人の愛』のパロディが入ってましたね。
船越さんと叶さんで。
でも、この二人の『痴人の愛』は木村恵吾監督だったはず。
増村のは大楠道代さんだから、
ねじれねじれで現われてあって、面白かったです。


白坂さんのご挨拶は映画の前にあって、
上映中は客席にまじってご自身でも映画を観られてましたが、
一番「うわー」と思ったのは終わってからでした。
こんなの書ける人が、ここにいるんだなぁと。
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2008年05月17日

ドカベン



あ、これDVDじゃなくてサントラCDでしたか…。

封切り映画を観にいくのって久しぶり。今年初かもしれません。
観にいこうとした(けど混んでたので諦めた。remuさんと。)のは、2月の
スウィニートッドがありましたが…。
『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』

タイトルからも想像つかなかったし、
内容全然把握しないで観にいったんですが、
普段あまり近くにない、青春映画でした。
70年代だか80年代が舞台になっていて、
青さがあんまり浮かないようになってます。
と同時に、深夜ドラマみたいな脱力感や小ネタもあって、
そういう意味ではまんま00年代の作品。
はいりさんの使い方が、贅沢すぎないですか?


映画中にキン・シオタニさんのイラストがちりばめられてました。
某本屋のブックカバーでシオタニさんを知った時は
こんなに全国区になるとは思わなんだ。
また近くでギャラリーでもやらないかな。




小ネタでは、「ドカベン」のくだりがおかしかったです。
お見舞いが、2巻と5巻と9巻。読んでるし…。
でも「なんでわざわざそんな前半ばっかり」という点でも
笑ってしまったのですが、
そういえば設定は現代じゃないんでしたっけ。
ドカベンってあんな時代からあるのか。すごいですな。


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2008年05月14日

コロシヤ

疲れた体に、映画を2本。
『ガラスの墓標』『恐怖省』




『ガラス〜』は2回目。(→2005年09月11日記事「美しきセルジュ」)
何度観ても(途中眠ってしまいましたが)、
ゲンズブールがロシア人というのには無理が。
代わりにバーキンがフランス人。
いかにも英国娘なのに。


内容を殆ど覚えていなかったのですが、
受けた印象は3年前と変わっていないと思います。
ゲンズブールとバーキンの世界は、
『スローガン』のが近い。
女性の為に殺し屋から足を洗おうとする姿っていうのも
ゲンズブールにはあんまり似合いません。






『恐怖省』は、フリッツ・ラング監督。
いままで観てきたラングの作品からじわじわ受けていた印象が、
ようやく言葉にできました。「得体が知れない」。

映画を全編通して、犯人が捕まっても、
それでもまだ不快感が残ります。
得体が知れない。
それも、どの映画を観ても同じようにそうなんです。
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2008年05月05日

屋根より高い

『詩人の血』
『アイアン・ホース』

映画二本立ての日。
こどもの日。
近所のお金持ちの家が
信じれらないくらい大きな鯉のぼり掲げてた日。


『詩人〜』は、ジャン・コクトーの作品。
『美女と野獣』の煌びやかさとか、
『恐るべき子供たち』の緊張感に惑わされてたけど、
なによりもこの人は変人、相当やばい人ですわ。
それを思い出しました。
口とか、鏡の国とか、イカサマ師とか…
変態ですわ。
美を、屋根より高く極めるとこんななるのかな。
なりたいですわ。


『アイアン〜』は西部もの。
リンカーン様様、なんでしょうな。これ作った人は。
もとはサイレント作品らしいところを、
サウンド版で上映(生演奏ではないけれど)。
正直、サウンド版で助かりました。
なんだか無駄なシーンも多いようで、長い…。

女の子がかわいかったな。
小さい頃も、大人になってからも。
サイレント映画の女性って、
なんであんなに靄のかかったような光を放ってるのでしょう。
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2008年04月26日

聖なる灯火

カール・ドライヤー特集も最後。
『怒りの日』『奇跡』
お互い予想していた通りでしたが、
友人ジャックさんとふたたび遭遇。


『怒りの日』は、観るまで殆ど覚えていなかったのですが、
結構好きだったのだけは覚えていて。

はじめの方にでてくる魔女のおばあさんが
かわいくて、かわいくて…。
ドライヤー作品はいつも「作品」として
しっかり成立しているのにも関わらず、
印象的な役者が必ず出てくるのが不思議です。

全体的な様式美と、魔女になっていく女が綺麗。
自分の中にある中世デザインへの愛好心が満たされます。


『奇跡』、
こちらはなんといっても「キリスト」が。
喋り方も可愛いし。

宗派対立をする親同士のやりとりはユーモラスだけど
全体的にはやっぱり余分な湿気が無いというか、
本当に聖なるものになっています。

「過去のものしか信じない」という揶揄もあって
本当の意味での信仰心とは?という問いがあったり
宗派対立を信じる教えに照らし合わせたとき
それは教えに則っているのか?という諭しがあったり
でもその辺が全く説教臭くなくて。

「信仰をもつと幸せになる」って台詞には同意できないけれど、
でもその実、ここまで厳粛な世界を作れる
ドライヤー自身が、いわゆる「宗教」を
ものすごく客観的に観ることのできる人のような気もします。


日本で「聖火」が走った日でした。
ちらと聞いたところによると、宗教的な意味合いを
含んだ「聖火」という名前を使ってるのは日本だけだとか。
(英語でもフランス語でも、
「オリンピックの炎」とだけ呼んでるようです。)
今回の騒動がチベット問題から派生したものということもあって
さらに宗教性は強まっていくけど、
どうしてもあの火よりも
ドライヤーの映画の方が聖なる熱を持ってる気がしてしまいます。
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