慶様特集つづき。
『処刑の島』
篠田正浩監督作品です。
ええと、偏見なのでしょうが、脚本家によって右翼的に観えてしまいました。
荒れすさぶ島の情景とか
三國連太郎さんの、これ素ではないだろうかと思わせる残虐非道・暴力性とか
慶様の陰湿な感じのいでたちとか
それぞれ、いい意味での恐ろしさというか、
篠田さんの演出力もみえるのですが、
どうも必要以上に右翼的に観えてしまい
そういうときってどうも、
いい作品と思いきれないんです。篠田さんは好きなのですけど。
やっぱり、篠田さんならばもっと女性(志麻さん)に視点があたった作品がいいなぁ。
でもこれも篠田×志麻の、黄金の組み合わせ作品ではあります!
志麻さんは珍しく髪をおかっぱにして、とんでもなく可愛らしかった。
世にも恐ろしい三國さんの娘役。
普段は慶様が世界一恐ろしいわけですが
この作品では三國さんの恐ろしさが圧倒的でした。
三國さんと鞭とか、三國さんと斧とかって、どうしてあんなに似合うんですかね。
慶様は少し小さな役で。
でもまぁあのサングラスな慶様もそりゃあ背筋ぞくっとしましたが。
志麻さんが慶様たちから逃げるとき、慶様側を通ろうとしたの見て
思わず席を立ちあがって制止したくなりましたが。
あ、『どぶ』で興味をもった信欣三さんが教師役で出ていました。
この教師の立場というのをクローズアップすると、
人間の脆弱性がもろに出て、別のテーマが浮き彫りになってきます。