これも中平康監督です。
吉行淳之介の小説が原作。
とことんモダンなデザイナーかと思いきや
こういう観念的で比喩めいた映像も撮れる方なんだぁ、と。
冒頭から、クレーの絵を赤い絵の具でもってその調和をぶちこわして、
小説の書き出しで頭をかきまぜて、
モノクロなのにそこだけ暗い床屋での会話、
姉妹との出会い、
もはやデザインではない、
夢のような漠とした世界がつくられていきます。
主演が仲谷昇さんでして、これがまた映像にぴったりきています。
怪しさが全開なのに、まだ何か隠されている様で
一向に正体が掴めません。
あと姉妹も両方とも美人さんでした。
仲谷昇さんと稲野和子さん(姉役)の揃いは妖気がしゅうしゅうとしています。
妹役の西尾三枝子さんも、
あの「真っ赤な口紅」のところ、ほんとに綺麗です。
モノクロ映画なのに、最初のクレーの絵のぶちこわし効果もあってか
映像では黒い「赤」が、毒々しい深紅に見えてきます。
観たあとには何かしらのトラウマが植えつけられてしまうような気がする。
そんな映画です。


