2009年10月25日

慶様とメロドラマ

慶様特集その5
『白い南風』


この作品、今回の慶様特集の中で一番の問題作ではないかと、
勝手に思ってました。
なんたってチラシに「メロドラマ」って書かれていたのですからね!
メロ!メロドラマ!慶様が!!
と、非常に気になっていたわけです。

画像などが見つからないのでソフト化もされていないのでしょう。
だって慶様のメロドラマですもんね…

と、観る前からどきどきしていたのですが、
蓋を開けてみると…
…いつもの慶様でした。
そしてドラマは、全然メロドラマではありませんでした…。


池内淳子さん主演です。
大学教授の父親のもとにいる二人の学生。
ひとりは人格者で、池内さんとも(お互い片想いという形で)
両想いなのですが、別で婚約話が出ていて
もうひとり(慶様)は野心家で、教授のイスを狙う為に
池内さんに近づいていきます。


で、あれやこれやすれ違いやらがあって
池内さんが慶様の子を宿してしまうわけです。
しかし教授のイスが(池内さんの父親に嫌われている為)
絶望的と知るや否や、すべてを放棄し、
親の手前池内さんと婚約しながらも、
ひたすら冷たい態度や言葉で池内さんを責めたてる慶様。
そして一切反省の色を見せない慶様。
なぜか西村さんにまで非道をつくす慶様!
…ひどすぎます。


映画全体を通して「良い人」はいなかった様に思えます。
なので池内さんはひたすら不幸に陥っていくのですが
それでもやっぱりそれは慶様によって引き起こされた不幸で、
「悪人」と呼べるのも慶様だけでした。


慶様はやせて、まだ若くて、
自らの手で池内さんを苦しめていましたが
しかしこれからどんどんと悪人度を増していく、
その要素は充分感じとれました。
将来、悪の総帥へと成長していく慶様が観れる。
メロではないけど、やっぱり問題作です、これ。
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悪名幟


悪名 DVD-BOX・第二巻

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慶様特集その4
『悪名幟』

勝新×田宮二郎の「悪名」シリーズのひとつらしいです。
任侠モノとは違うのかな?
どちらにせよ、お天道様の下を歩けない、
裏稼業に身を置く人々の話。


慶様は賭場の取締り役をやっている人だったのですが
義理人情を大事にする勝新や元締めに反発して
個人的にミヤコ蝶々さん演じる女社長を脅します。

今回は悪玉でしたが、
どちらかというと自分で動いたり、小手先のごまかしをする悪玉
だったので、
やっぱり少しイメージが違ったかな。
もっと、悪の総帥という方が似合うのですが。


しかし最後、勝新と慶様の乱闘シーンはすさまじかったですね。
乱闘というよりも勝新によるリンチに近いのですが、
ぼっこぼっこにされて、
ガスに顔押しつけられたりする慶様…。衝撃です。
勝新だからこそできたのでしょうが。


シリーズものということもあり、ややコミカルなところもありました。
勝新もですが、コミカルな田宮さんというのは魅力いっぱいですね。
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HDL

慶様特集その3
『関東破門状』


任侠モノがそこまで好きでないというのと
石原軍団がそこまで好きでないというのとで
個人的にはそんなに楽しめなかったです。

恐らく、渡さんが主演の「いかにも」といった感じのヤクザ映画が
苦手なんです。
仲間を大事にして戦いを選んで、そのために女を悲しませて、
そして小さくない代償(仲間や女の死)の果てに、悪に勝つ、
最後は夕日または都会の雑踏の中で傷ついた渡さん一人…!
みたいな流れが。
あとサイドストーリーで、
ヤクザの下っ端とその恋人の悲劇みたいなのもあったりするのが…。


慶様は珍しく善玉でした。
あんな良い人の慶様を観るのは初めてで、逆に怖かったです。
ただ慶様は良い人・悪い人に関わらず
いつでも切れ者というか、
腕と頭の両方を持っている人として出てくることが多いですね。

今回も、最終的に慶様は殺されてしまうんですが
その前に、敵の襲来を正座して待ってるんです。
襖開けたら慶様が一人、正座…。
たじろぐ敵。
そしてたった一人で十三人くらい斬ってしまう慶様。
善玉でもやっぱり恐ろしいですね。
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2009年10月18日

大悪党


大悪党 [DVD]

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慶様特集その2。
増村保造監督、『大悪党』


ある女学生がヤクザに騙されて身売りされる。
女が助けを求めたのは、ヤクザよりも極悪な
悪徳弁護士だった…

…というストーリーを聞いた上でキャストを見比べると、
女学生は緑魔子として、
ヤクザが田宮二郎さん、弁護士が慶様、というイメージでしたが
実際は田宮さんと慶様の役は逆転していました。
正義とされた権力の中で非道の限りを尽くすというのが
慶様にぴったりのイメージだったのに。



緑魔子はほんとにほんとに可愛い。
イメージからしてただの純情な女学生では無いので、
もともとの設定は少し食い違っている様にも感じましたが
慶様が「上玉」と観るには
やはり魔子さんくらいじゃないといけないのでしょうね。
演技とはいえ慶様にネクタイで打ちつけられたり、
腰を蹴り飛ばされたりするのに耐えられるのも
魔子さんくらいなのでしょうね。
逆に慶様の首をネクタイで絞めて殺してしまうのも
やっぱり魔子さんだからこそできたのでしょうね。

あと、写真や映画フィルムにしたときの魅力というのも
すさまじいものがあります。
増村監督とも合っている気がする。
緑魔子ファンは必見です。


田宮さんは思ってたよりも
"悪党"という感じではありませんでした。ラストが特に。
もちろん善人ではないし、優しいとまでも言えないのですが
映画で出てきたヤクザよりも弁護士よりも、
もっとずっと悪党の姿を観たことがあるので。慶様で…。


慶様は…
もっと悪党です。本当は。
慶様がボーリング場にいるという時点で逃げ出したくなります。
声かけられて一緒にボーリングなんてありえません。
その後一緒に飲みになんて絶対行きません。
捕まったら最後、逃げ出すこと・生き延びることの希望は失います。
だって慶様なので…。

田宮さん指示・緑魔子供述内で
慶様がヤクザの「親分」にへつらうシーンがあるのですが
ああいうのも無いですよね…。


ただイメージとは違いましたが、
作品としてはとても面白かったです。
話の流れと撮り方というのかな。
だれかと一緒に観るよりは、
ひとりで観てから、観たことあるひとと「面白かったねー」って言いたい映画です。
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『無理心中 日本の夏』


無理心中 日本の夏 [DVD]

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ついに始まってしまった慶様特集。
ありそうでなかった慶様特集。
信頼できる映画館で組まれたので、
その分楽しみで恐れおののいた慶様特集。
映画館のある街を歩く度に特大の慶様ポスターに震えあがった慶様特集…。

幕はさすがのセレクトで、大島渚監督作品からあがったのですが、
いやーやっぱり怖かったですね、慶様。
慶様の男臭いところが出てました。恐ろしかったです。
死にたがる短パン姿の慶様…。
死ぬことしか考えていない短パン姿の慶様…。

作品は、渚監督らしく映像にテンポがあって、
台詞には虚無感と、
ぽつり、ぽつりとただ下へ下へ落とされていく万有引力が。
慶様のいでたちと低い声はそんな渚監督作品に合っている気がするんです。
落ちていくけど無くならないで、
低いところで漂ってる。そのうち下から充満していく。


田村正和さんが若すぎて、観終わってからもよくわかりませんでした。
殿山さんは殿山さん。かわいいです。
戸浦さんは… すごいですね、何ですかあのギラギラ感…。


あの白人に皆が何かを叶えたかったのかな。
渚作品らしく、わけわからないけど、
わけわからないなりに何か感じさせます、渚は。
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2009年10月11日

微笑みがえし

「叙情宴」@吉祥寺マンダラ2


黒色すみれさん主催の「叙情宴」。
といっても、黒色すみれさん自体は初でした。
チラシを観て、なんだか気になってはいたのですが。
…と思っていたら、以前坂本さんのライブを観に行ったとき
ライブ会場だった「すみれの天窓」は、
この黒色すみれさんがオーナーしているお店だったのでした。
今回は、るりさんと歌姫楽団が呼ばれているとのことだったのでうきうきに。

アンティークです。
どういうアンティークかというと、
昭和の日本人の少女が持っている、おめめぱっちりのお人形。
廃屋になった洋館。
曲もやっぱりそういう感じでした。
呪いにかけられそうな。


ぜんまい少女箱人形

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「ゴスロリ研究会に呼ばれてライブしたりします。
 やっぱりそういう風に見られてるのかな。
 今度ジーパンでも穿いてってやろうかしら。」
…すいません、私もばっちり、坂本さんライブのときの記事に
「ゴチックロリータ風の会場」って書いてます…。
ごめんなさい!


久々のるりさん。メリィさんと一緒!嬉しい!
…が、ここで私の持病「貧血」がひょっこりと顔を出した為
半分ほど、地面にしゃがみこみながら聴くことになってしまいました。
情けなし。
この日のるりさんは、小さい頃からのトラウマだったという
つけまつげを克服して登場。
さらにメリィさんまでもつけまつげを!
「メリィさん、目ぇがおっきぃねぇ〜」とるりさんも笑顔でした。


妄想ルーム

妄想ルーム

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  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2008/08/06
  • メディア: CD





歌姫。はどこで観ても歌姫で嬉しいです。
最近では基本的に舞ちゃんは着物姿でライブをし、
CDのジャケットも昭和歌謡を意識した感じになっていますが
もともとはこういう、少女趣味なところも多く含んでいるところが
あったので、今回のとりあわせは違和感ありませんでした。
ただ、歌姫は最近バンドの色が濃くなってきたので
音では若干違っていたかもしれませんが。
しかし久々に歌姫の音が聴けて嬉しいです。
「Robbin or Johny」もやってくれましたし。


アンコールでは皆でキャンディーズの「微笑みがえし」。
キャンディーズ衣装を身に纏った皆さまで歌って踊ります。
「レアすぎるでしょう!」と舞ちゃんは照れていましたが
さすが美女ぞろいで、会場からは「かわいー!」の声ばかり。
もちろんメリィさんも!
(メリィさん、振付完璧でした…。)
最後は皆で大撮影大会。にぎやかな宴となりました。

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2009年10月10日

手を

「チェコアニメ傑作選」。

『パットとマット/クロスワードパズル』 (ベネシュ)
『樫の葉が落ちるまで』 (ボスピーシロヴァー)
『手』 (トルンカ)
『ライオンと歌』 (ポヤル)
『棺の家』 (シュヴァンクマイエル)
『ぼくらと遊ぼう!おかゆの話』 (ポヤル+シュテェパーネク)


チェコアニメ特集。毎年どこかでやってくれて嬉しい。


さて今回は、シュヴァンクマイエルの大好きな作品や
ポヤルの詩的な、抒情歌的なおとぎ話や
にぎやかな「ぼくらと遊ぼう!」シリーズや
それぞれ充分に楽しめたのですが、
やっぱり特筆すべきは『手』でした。
イジー・トルンカの遺作。


トルンカは『真夏の夜の夢』
を最初に観て、一気にファンになったのですが
作品はあんまり観れていなくて。
『手』の存在も、たしか年明けに観たチェコアニメのドキュメンタリーで知って、
あぁ、観たいなぁ、とぼんやり思っていた程度でした。


けどこの作品は、思っていたよりもはるかにショッキング。
正体不明の「手」によって「手」の彫像を作ることを強いられる男。
何度拒否をしても、「手」は執拗に執拗に男に命じていきます。


言うまでもなく、かなり強い社会風刺をもっている作品。
「手」というと、
手のぬくもり、とか
手と手をあわせて、とか
なんだかあったかいイメージを持ちがちですが
本質的にはいろんなものを含んでいるんですよね。
それは私たちが短絡的に、何か愛らしいものだけを求めて近づく
「チェコアニメ」と同じように。


何かを考えるきっかけになるものは、
それぞれがそれぞれに持っているんだろうけど
私にとっては、
チェコや東欧のアニメに、そのきっかけの種がたくさんある気がします。


イジー・トルンカの世界 vol.1 ― 「手」その他の短編 [DVD]

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