2008年11月30日

Drunk on the moon

「Tiny Adventure with Strings vol.15」@吉祥寺マンダラ2


いつも通り足を運ぶ酒井俊さん with Stringsライブ。
今回の対バンは、わけあって名前を聞くとどきっとしてしまう
原みどりさん。

原さんは名前だけ知っていたんですがライブを観るのは初。
チラシに「原みどり(大正琴)」と書いてあったんで
ほー、大正琴かぁー
と思って行ったらば
大正琴、弾かなかったですね…。 
でものびやかな歌声で素敵な方でした。
斬新な回覧ライブも楽しかったです。

ピアノのホッピー神山さんとギターの今堀恒雄さんは
観るからにステキな方です。
八丈島に住んでらっしゃるホッピーさんの
見上げたエコ活動にも脱帽でした。


酒井さんはこれまで以上の迷宮っぷりでした。
MCでも「…するってぇと〜」と話す落語家師匠の話と
このイベントがいやでいやで仕方なかった、という話と
対バンは慣れてないからそんなに疲れちゃうんだよ、と
坂本さんに言われてしまったという話が
脈絡なしに繋げられて、また戻ったりして
混乱の渦。
「どうまとめたらいいですかね、水谷さん。」と
言われても、
そりゃあ水谷さんも苦笑いしかできませんよね。
しかも、本編が終わったことに酒井さんだけ気づかず、
アンコールの始まり方もぐにゃぐにゃ。


ただ、酒井さんが
「今回ようやく15回目にして、楽しさがわかってきた」と
言ったのと関係してるのかしていないのか、
これまである程度きまっていた「型」に
変化が出たライブでもありました。
それは曲順だったり、アレンジだったり。
変わっても常にオリジナルと感じられてしまうのですが。


何故だか街にクリスマスを感じる日でした。
そんな日に聴けた酒井さんが歌うトム・ウェイツの曲がぴったり。
何故だか街にクリスマスを感じて
しんとした日でした。

大好きな人がこの日亡くなったと
聞いたのは翌日の朝でした。
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どぶ



新藤兼人監督、『どぶ』


乙羽さんがここまで前面に出ているのは
やっぱり新藤監督だから。
絶大な信頼がおかれていますね。
頭の弱い女・ツルと、「かっぱ沼」に住む人々との交流。


宇野さんはあんまりああいう貧乏青年は似合わないなぁ。
殿山さんはぴったりですけどね。
珍しく宇野さんよりも、
かっぱ沼に住む元役者さん(信欣三さん)に色気を感じました。
ツルに最初に挨拶してくれる人。


相変わらず、脚本や映像のつなぎが音楽的。
ツルが生い立ちを話す場面や、逆上する場面は特に。


「弁天様」の迎えの場面は切なくて綺麗です。
迎えがこない日のツルの表情も。
ストーリーはまとまりすぎな感もあったけれど、
新藤監督だから嫌味がないです。
いい映画です。
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2008年11月25日

慕情

実相寺昭雄監督作品、『あさき夢みし』





あらすじは「とはずがたり」。
全巻読んでいた海野つなみさんの漫画「後宮」と
原本が同じだった為、理解はし易かったです。
ただ、二条が映画だと四条、御室も阿闍梨という名前でした。

海野さんは海野さんで、感情を描く人なので
実兼様も策略家ではありますが切ない恋慕を抱く
優しい人として出てきていましたが
映画だと一番信用できない男になってましたね。
吾子が実兼の子を産み落とすときも
漫画だと状況的に困らせない様に
自分の嫡子として迎えている感じでしたが、
映画だと完全に政治的。

原作は吾子の日記なんで、
何かが書かれていてもいなくても
それは吾子目線でしかありません。
他人の気持ちが実際どうなのかがわからないのは
今も昔も同じですね。


撮り方はもちろん上手くて、光と影が恐ろしく幻影的でしたが
いつものやりすぎ感は少なくて、
あと「女性を撮ってる」というのが違和感で、
私は「京都買います」や「曼荼羅」の方が好きでしたなぁ。



阿闍梨(御室)役は岸田森さん。丸坊主。
これが「傷だらけの天使」のあの衝撃シーンに繋がるのか…。

ご自身が下記の様にインタビューで仰ってた通り、
実相寺さんて「男性を撮る」イメージが強かったんです。
だから「女性を撮ってる」感じがした本作は
それだけでびっくりしてました。
ただ、それでも森さんは強く描かれてましたね。
それこそ片思いを。
一方的なところが出てました。


- - -: 実相寺さんのことば :- - -

「僕は撮る時は実際、岸田さんに託して物を撮ってるというか、
 男性優位だって言われるんだけど、
 男性のロマン、思い、
 男性の片思いだけで撮ってるようなところがあるからね。
 男はいつも良い役で、女はオブジェみたいなもんだって
 よく女房なんかにも言われたけど。
 岸田さんにはなんかこう、
 ほんとにいい役を割り振りたくなるところがあって、
 実際そうしているし、
 そういう意味では男が何かを仮託させようと思わせる雰囲気が
 岸田さんにはあるのかもしれない。」
              (「不死蝶 岸田森」より)

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2008年11月22日

二人はワケあり

「雪月花」@渋谷7th Floor
種とも子さんのライブに
やなちゃんがゲスト、とのことだったので。

実は7th Floorに行くのは初だったんですが
下のO-westとは毛色が異なり、ソファがあって
落ち着いた感じ。

やなちゃんはそんな大人な空気の中
「妄想ヘルスメーター」やら
「ワケありの人」(小室バージョン…)やら
「さよなら人類」(カップラーメン400円 他…)やら
好きにやっていましたが。
ただそのあたりの新曲は、
リズムがジャズっぽくブルースっぽくなっていて、私好みです。


一緒にライブをやるのは初、という
種とも子さんとやなちゃんですが、
実は小学校が同じで、しかも1年くらい在籍がかぶっていたとのこと。
こういうのは本人たちが一番興奮するので、
ワタクシはむしろ
「いろいろ話そうと思ってたのに、小学校のことがあって
 全部とんでしまった…」
とうろたえているお二人の姿を楽しんでいました。

会場があったかかったのとソファが気持ちよかったのとで
無性に無性に眠くなってしまいました。
その上限界を超える量のごはん(おいしい)を食べてしまったので
帰り道の辛かったこと辛かったこと…。
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江戸川と女

加藤泰監督作品、
『江戸川乱歩の陰獣』

陰獣.bmp

原作は読んだことがあったんですが、
トリックについては抜けてたところもあったから
ストーリーにもそれなりにひっぱられたかな。
ただお話自体が乱歩の中でもそこまで好きな方ではなかったんで
どうしても完璧!とは思えませんでしたが。


カメラが面白かったです。加藤監督作品は初めて観たのだったかな。
最初の仏像のシーンからして既に、妙。

映画館では女優の香山美子さん特集というくくりで
上映していたのですが
やっぱり綺麗な方でしたー。
あと野際陽子さんが出ていて…
綺麗さに加えて英語の発音の良さ!それだけで色気が。

他にも倍賞美津子さんや加賀まりこさん、
菅井きんさんも出ていましたね…。
どなたもちょっとしか出ていませんでしたが。なんて贅沢。
というわけでなんとも女性を感じる映画でした。
監督が女性好きなのかな。
(乱歩自体もそうかもしれませんが。)
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2008年11月15日

光の画家

『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』
『愛おしき隣人』

どちらもロイ・アンダーソン監督作品です。

彼の作品は『散歩する惑星』が気になっていて
でも観れていなかったので
ここで二本も観る機会ができて、嬉しかったです。

『スウェーディッシュ〜』は
ピュアというか、
主人公二人は決して完璧ではないんだけども
どうしたって観ていて綺麗だなと思える作品でした。
光や音楽の入り方も緻密。
レンブラントとかフェルメールの絵を思い出しました。
スウェーデンの冷たい空気も伝わるから、
オランダっぽいというのとはまた違うけれど。

それと、何故か「綺麗」だけでは終われない奇妙さがある。
女の子の父親が男の子に「知っているもの」を問いただすシーンや、
ラストのパーティーなんか異様です。「ズレ」がある。
こういうところが後の作品にどんどん引き継がれたんだろうな。

女の子が美人すぎて
ちょっと眩暈を覚えました。

純愛日記.jpg



『愛おしき〜』の方がきっと『散歩する惑星』と
わかりやすく似ているのだと思います。
「間」が柱になってる。
でもやっぱり
空気が綺麗なところは『スウェーディッシュ〜』から同じですね。
ロイ・アンダーソンはめちゃくちゃ真面目な人で、
それなりに傷ついている人の様な気がする。

チラシやDVDのパッケージにもなっている
あの「結婚式」は、手放しではないけれど観ていて可愛くて幸せ。

愛おしき隣人.jpg
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2008年11月14日

砂が如く


砂VS松倉如子ライブ@吉祥寺スターパインズカフェ


がたがた鳴りだした空気を無理やり押し込めてから向かったライブ。
ちょっと遅刻して、
松倉さんのステージは2曲程しか聴けませんでした。


松倉さん企画でした。
松倉さんが日本で最も好きなバンド・砂とのライブ。
ブログにはずっとずっと前からこの日への気合いが綴られていて
お客さんを呼ぶぞ!と意気込み、
いろいろなところで宣伝活動をしてきた様で、
この日は本当に大入りでした。

「砂」はレゲエバンドと聞いていて、
レゲエと勝さんのイメージがどうも重ならなかったのと、
あと特に日本のレゲエは、ちょっと脱力しているというか、
気迫というよりは軽快なリズム、リズム!という感じがしていた為
実際観るまでどんなものかさっぱり想像がつかなかったのですが
やっぱり観ても、
これは想像できなかったなという感じ。

聴いても「レゲエバンド」という括りで表現するのは
やっぱり違和感があるし、
そうだとしてもものすごく硬派にやっています。
飄々としていて真面目。
もちろん演奏力もあるから、リズムはしっかりしています。


さいごに皆でやった「いとしい人」は特に楽しかったなぁ。
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2008年11月02日

酔夢




侯孝賢監督作品、『フラワーズ・オブ・シャンハイ』


侯孝賢監督はロケーションの映画を撮るという印象が強くて、
強すぎてその考えに埋まって決め込んでいたのですが、
セットの映画も撮っていたんですね。
勝手にこちらが作り上げた「らしさ」からは遠ざかってますが
これまで観た侯孝賢映画の中では一番くらっときました。
『百年恋歌』のルーツも観たような気がします。


羽田さんが出ていたとは知りませんでした。
言われても暫く気がつかなかったです。でも綺麗でしたよ。
トニー・レオンの食事シーンにうっとり。
この映画に出てくる人たちは皆食べ方が綺麗だったんですが
それでもトニーを観てとろんとします。

徹底した、「一シーン」。
カメラが全く切り替わらないのです。
ゆったりと流れる映像。
「切り」がないというのは役者さんも緊張しただろうな。
でも一つが本当の流れになっているというのは、
セットや衣装の雅さに加え更に優美な世界を作りだしています。
お酒やお香、阿片の臭いまで嗅ぎとれてしまいそうな…。


頭の中を少し静かにして、散らかっててもとりあえず一休み。
酔いを感じながら眠ってしまいましょう。
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葵上の舞

『女舞』
大庭秀雄監督、岡田茉莉子主演です。


岡田茉莉子さんと舞というのはぴったりきますが、
それが映画になるとやっぱり少し違ったかもしれません。
あとは、もっと能っぽい舞の方が似合っていたかな。

岩下志麻様も出ていたのですが、志麻さんも舞という感じでなし、
贅沢なわりには少し物足りなさを感じてしまう映画でした。


茉莉子さんが恋をする舞(能)の先生が
「葵上」を演じます。それでタイトルが「女舞」。
否定はできないけれど、
やっぱり男性にとっても女性にとっても
葵上っていうのは女性が持つ感情であって、
手に負えないものとして扱われるんですよね。
苦しさが残るばかりです。

普段は感性に魅かれるけれど、感情も捨てきれませんからね。
まだまだ疲れはとれません。
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2008年11月01日

まあるい地球に朝がきて


中村登監督、岡田茉莉子主演、『斑女』

かつての夫の弟と駆け落ちしたものの
やっぱり別れた方がいいわってんで
道端で知り合った画家先生の力を借りて夜の蝶となり
恋人には住み込みの仕事させてそれぞれ自立しようとするも
勤め先で男にいいように利用されるわ
恋人は宿の若い子と出て行ってしまうわで
アタシは画家先生といるときが一番落ち着くわ!と
身を固めようとするんだけれど
あれやこれやでやっぱり彼が大事だわ…という心境になるまで。

薄っぺらすぎるあらすじ解説でした。

でももっと泥っぽい作品だと思っていましたが、
かなりポップなものでした。
オープニングロールが和田誠さんのイラストに、
武満徹さんが曲をつけた谷川俊太郎さんの「恋のかくれんぼ」。
軽快なテンポです。


比較的若い慶様がお店の女の子をだます客として出演。
700万円盗んでしまいます。抜け目なし。
画家先生以外に関しては、男の人の悪さやずるさが描かれてます。
でも女性にもやたらとお金を付随させたり。
せせこましく生きる人間のココロを映したのでしょうか。


というわけで一番落ち着いていたのが画家先生だったので、
もっと彼を中心に撮ってもよかったのではないかなぁと。
先生と東京タワーについては、わりと上手く絡めてあったと思います。

あとは、はねっかえりながらも一途な女の子を
新人の頃の倍賞千恵子さんが演じています。
アメリカ50'sっぽいジャンパーを羽織っていて、可愛いかったです。
posted by Cui at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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