2008年09月28日

洋子のよろめき

9月最後の映画。
最近あんまり映画観れていなくて、いけませんね。

中平康監督・脚本、桂木洋子主演の『密会』
原作が吉村昭らしいです。


桂木洋子さんを観るは恐らく初めてです。
存在自体、特集で知りました。
チラシに「桂木洋子のよろめきぶりも見事」と書かれていたので
一応、観ておかないとと。


大学教授の妻が、夫の教え子と不倫の仲に。
ある日逢引の最中タクシー強盗の現場を目撃。
一向に捕まらない犯人と、悲嘆にあえぐ遺族より
罪悪感に苛まれる男。
法学に身を置いていることもあって、
良心の呵責からついに警察に届け出ようとするが、
女は夫に知れることを恐れて… という話。


脚本がとても上手でした。テンポがあって。
女の家では落ち着かない女中さんが、
男の家では活発な妹さんが、
動きと音とを巧みに使うんです
苦しんでいる家主の前であっけらかんと。


「よろめき」がいつ出たのか
よくわからなかった(ラストかな?)のですが、
全体的によろめいている方でした。桂木さん。
もっとさばさばした感じの方かと思っていたのですが、か細くて。


男のアパートを訪ねたときに部屋が(妹との喧嘩で)
散らかってるのを見て、
「あらあら」って言うのが可愛かったです。
「だめねぇ」って高い声で笑うんですよ。
それがすごく自然で、こういう女性って今あんまりいないし、
同性から好かれるタイプじゃないんでしょうけど、
いいなぁって思いましたよ。
可愛いなぁ。
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2008年09月23日

はらわた

『追悼のざわめき』

ニュアンスに差こそあれ、えぐい映画ばかり観ている気がします。


これも観てみたかった映画ではありますが
観れるか心配だった映画でもあります。
なんたって何度も上映禁止になったり
税関でストップさせられた作品ですからね…。

あらかじめ耳にしていたいわくよりは
観やすい映画だった気がしますが
ラスト30分の展開は衝撃的でしたね。
でもよく考えたら、はじめから衝撃的です。
ソフトなものなんてありゃしないのです。


マネキン人形や小人の兄妹、
殺人や暴行、近親相姦…
タブーしか出てこないのに、恐ろしいことに監督は
空想ではなくてリアル、「有るもの」を撮ろうとしてます。


小人の女性がバスに乗り込むシーンが印象的でした。
車掌とのやりとりから、
「いや」に紳士的な男性に優しくされるとこまで。
いやらしくてえぐい。

DVD鑑賞という選択が正しかったかはわかりませんが
畳の上で観れたことはよかった気がします。
皆さまも是非、畳の上で。
(えぐみが苦手な方はどっちにしろ無理だと思われますが。)
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2008年09月16日

ある朝スウプは

ずっとずっとずっと観たかった映画なのです。
『ある朝スウプは』


パニック障害と新興宗教で、逸していく男を
社会の側からひっぱろうとする女。
でもこれって確かに病気の映画でも宗教の映画でもなくて
他人な二人の映画ですね。
哀しい。

思っていたよりも画像が粗くて、
大学生の自主制作映画っぽかったです。
もともとアマチュアの映画祭でグランプリとった作品なわけですが
もうちょっとフィルムっぽいものを期待してました。


でもなんだかやっぱりひっかかる映画でした。
女がいわゆる「善人」だったり「完璧」だったりすると
するするのすかすかになってしまうんですが、違ったので。
財布をとりあげたり殴ったり、
就職活動がうまくいかないことにイライラしたり。
アパートの一室でゆるやかに広がってく溝が
よく出ていました。


どうすればいいんだろう?どうしようもないね。
映しだされてるものを観ているとそうとしか考えられなくて
どすんと落ちてしまいます。
でも
どうしようもないものはどこまでいってもどうしようもないんだな。
リアルすぎて怖い映画です。



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2008年09月15日

黒い画集

『黒い画集 第二話 寒流』

黒い画集.jpg


映画で初めてとっつく人間にとっては「第二話」という響きが
なんとも気になるところですが、
別にシリーズものというわけではないようです。
松本清張原作で、
池部良、新珠三千代主演、鈴木英夫監督作品。


新珠さんの綺麗なこと綺麗なこと…
さすがにお客さんも大入りでした。
そりゃ観に行かないとですよね、美女は。
話も映像もスタイリッシュだし、面白いのですが
すべてが新珠さん(和服姿)の出現によって
意味を失います。

先日観た『花影』にも池部さんが出ていて、
色っぽくてステキな男性なんですが、
でも、やっぱり、新珠さんですよなぁ。
あんな綺麗で、かわいく微笑まれたらイチコロです。


救われない話ではありますが、
根っからの善人も一人も現れない作品です。
清張的ですね。社会的とも言える。
「社会派」という言葉で何かをとらえると、
どこかへの糾弾とか、
何かしらの役職を巡っての人間の動きだとか
猜疑心や思惑の入り乱れが
連想されてしまうのですが、
そうして振り返ると「社会」ってどうしても黒い。
黒いですね。
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2008年09月14日

カツオの友達

Gさんライブ@吉祥寺マンダラ2


かなり久々な気がするGさんワンマンライブ。
行く前にニヒル牛へ寄ったら、あるさんに
「これからGさんのライブ?」と言われてしまいました。
どうしてわかったんだろう。

会場にはメリィさんの姿も!
前日のエコーユもほんとは行きたかったのです。
会えて嬉しい人に会えるっていいなぁ。


「こわれた」から始まったライブは、メリィさんも
HPで仰ってましたが、幽玄の美。
Gさんのロマンチックで狂気めいた匂いが充満する、
よいライブでした。
「ワンピース」や「パルテノン銀座通り」が聴けてうっとり。
歌詞の忘れや声のひっくり返りも殆どなかったし、
気持よく沈んでくことができました。
もう「水槽の中に象」レコ発の空気は殆どなくて、
新曲もちらほら。


leteの水中ライブもできるだけ足を運びたいのですが、
どうも去年末くらいからあの4人のチケットが取り難くなってます。
知久さんのワンマンなんて、もうどれだけ行ってないか…。
でも次回のleteは50回記念だというんで
…いけないかなぁ。無理かなぁ。



さてこの日はやっぱりお客の入りが多く、
入った時は席がなかったのですが、マンダラ2の方が
後からテーブル席を設置してくれました。
ふうと一息ついていると、
となりに座っていたカップルの会話が聞こえて、
それがどうしても気になってしまって…。
「ハヤカワさんじゃなくて、花沢さんじゃなくて、もう一人、
 カツオの友達の女の子の名前ってなんだっけ。」
「えー、何だっけ。あの、かわいい子だよね」

ええっと… 顔はすごくはっきり思い浮かぶのに…。

「わかった!」
ライブ始まる前に2人が名前を思い出してくれたので助かりました。
あれわからないままだったら、
ライブ中ずっとそのことばっかりだったかと…。
よかった。

セットリスト
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2008年09月09日

映像的フィルム

『花影』
大岡昇平原作、川島雄三監督。


原作は数年前に読んだことがあって、
ラストがやけに映像的だったのを覚えてました。
なんで、実際映像になるとどうなるのかという興味があって。
あと、川島雄三さんの作品も観てみたかったので…。


ラストはやはりというか何故かというか、
原作の方がぐっと映像的でした。
でもその分というか何故かというか
ラスト以外の部分は映画が異様に映像的。
映像だから当たり前なはずなのに、映像的、すぎる。


役者さんも脚本もよかったんですが、
カメラの秀逸さに心を奪われました。
遠近感とか、あと物の重なり。
「見えてない」ところに意識をとばさせる画面で、
どうしてこんなことができるのか不思議で仕方なかったです。
そのくせ気が散る様なことも全然なくて、
ここちよい刺激を伴って流れていきます。


冒頭とラストのナレーションだけ不要だった気もします。
だからこそ原作の方が映像的、という結果になったのかも。
でもほんとにほんとの最後の言葉と
ほんとにほんとの最後の画面の入り方は合っていました。



作品自体を、
なんだかすごく良いタイミングで観れた気がして
帰り道、満足感を確かめながら見慣れた景色を通り過ぎていきました。
わりと不幸というか苦しいというか、
やるせないものが残る作品なんで、こんなにびりびりしてしまうのは
疲れきっている証拠かもしれない。
でもぴったりのものをぴったりのタイミングで見つけられることは
やっぱり良かったと思ってしまいます。
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