2008年06月30日

男装の麗人



「なにしろ、美輪明宏が男装で出ているんですよ。」

by白坂依志夫さん。
特集を観にいったのも最後です。


そりゃ、「なにしろ」ですね。初めて観ましたよ、男役…。
緑魔子は、あの人やっぱりおかしいですね。
石橋蓮司と結婚するだけあります。すんばらすんばらシーですよ。
熊倉さんも出てました。少しだけ。
あ、あと、大悟さんも…。

吃りのヒトビトによる演劇(吃音治療プログラム)。
ちょっとミュージカル調。もっと埃臭い感じですが。
オープニングの寄せ書きスタッフ一覧や
シーンのつなぎが汚い演劇場っぽい。
からくりもいろいろあるし、
袖を釘にひっかけちゃいそうなギシギシ木造感がありますよ。
(伝わらないだろうな…。)

しかしまぁなにしろ、
美輪さんが男装です。
あの方は女性ではないんだけど、
やっぱり真正面から男性やられると違和感しか残らない。
丸山様っていう生き物なんだろうな。
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2008年06月29日

born




トークショーはさんでもう一本。
『炎と女』

2回目です。
(→2007年02月03日記事 「固有名刺社会」)
あぁ、「産む機械」からもう1年半も経とうとしているのですか。
前回は家で観ましたが、今回は映画館で。


大体の印象は前回記事にあらかた書いてあるのです。
過去の自分と対峙してしまうと、
前回が完璧でなくったって現在はしぼんでしまいます。
木村功さんをほめちぎり忘れてるくらいですか。
木村さんの演技の在り方は
自分の中で喜重の象徴でもあります。
抑揚のない、はがれおちるよな台詞・表情・たたずまい。

この映画は他作品と比べても
「問いかけ」の度合いがかなり強く感じます。
脳みそが疑問符でいっぱいになってしまう。
産むとはどういうことか?産まれるとは?
乾いた疑問符がとめどなく生まれていきます。

「あなたはあたしの子なんですからね」



長谷川元吉さん、カメラじゃないけどスタッフにいました。
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告白的女優論




キャストの入り方だけでもショックで総白髪。
なんでこういうことができてしまうかな。
喜重の『告白的女優論』


女性ですよね、やっぱり、喜重はね。
文化的な性とか肉体的な性にとどまらなくて、
超俗的な女性を描きます。
信仰と言ってしまうとすこし嫌な臭いがつきまとうけれど。

女優が揃っていて、すごいんだけども
女優が揃っていても、喜重の作品なんですよな。


カメラがやばすぎると感じていたら、
長谷川元吉さんでした。『煉獄エロイカ』の。


さて上映後に喜重監督のトークショーが。
この映画館で行われるトークショーは
いつもあんまり(質が)良くないんですが、
この日はインタビュアーがいなかったので今までで一番良かったかな。
(カメラのフラッシュは焚きすぎですが。)


岡田茉莉子さんがいらっしゃらないとのことで、
ふたりぶんの「映画との出会い」を聞かせてくださいました。
「あたかも岡田が、ここにいるかのように」。

いろいろな興味深いお話をしてくれたのですが
とりあえず「話を聞いている」という状況があるだけで
理想の世界に溶け込んでいる気分。
心地よくて、刺激があって。

喜重はやっぱり
喜重はやっぱり。
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2008年06月28日

貧しい絵描き

久々に美術展に行きたくなったので。
映画終わったらすぐ。

「青春のロシア・アヴァンギャルド展」@Bunkamura ザ・ミュージアム


アヴァンギャルドという言葉と比べてギャップがあったのは
きっと私がロシア・アヴァンギャルドを知らなかった
(今もよくわかっていない)ところに原因があったのだとは
思いますが
しかしシャガールの作品はシャガール展かで観たいな、と
感じてしまったり、
どう考えても今回の展示の中では一人浮きまくっていた画家
ピロスマニの作品に最もうきうきしてしまったという点で
あまり自分向きの企画ではなかったのかもしれません。


ピロスマニは、
「百万本のバラ」で歌われる画家のモデルらしいです。
たしかに彼は、想いに対して一直線でしょうな。
(絵がそんな感じです。)

ピロスマニ.jpg
(ニコ・ピロスマニ「宴にようこそ!(居酒屋のための看板)」)
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人間の約束

話を聞いた時には嬉しくて小躍りしました。
もう家には帰れない。
結果としては、当初はしゃぎながら立てた予定ほどは
そこに行けなかったわけですが
でもそれはそれは、充ち充ちた心だったのです。

吉田喜重特集!!

一番やってほしかった映画館での開催ではなかったのですが
それでも嬉しいは嬉しかったのです。


ます観たのは、『人間の約束』




喜重監督が13年間映画と距離を置いた後つくられた作品。
岡田茉莉子さんが出ていなかったというのもあるのかもしれませんが
それでもなんだか、
これまで観た喜重作品とは一線を画している様な印象でした。


だってなんだか、広いです。捉えるものが。
これまではごくごく小さな範囲から、
性であったりイデオロギーであったりを
四次元的に魅せていましたが
今回のはもともとの単位が、少し広めだったのです。
社会というか…。
まず映画が始まったとき、普通の映画と同様、
形としてのリアリティがありました。
会話がかみあってるというか。


なんで、
喜重映画じゃないと言われれば信じてしまいそうになりますが、
でも喜重だからああいう風になったのかなとも考えたりして。
いろんなシーンがどこかにひっかかったり
心の奥底に沈澱してたりするので、
考えれば考えるだけ、怖くなるのですが。


たとえば息子の言葉(痴呆に走る祖父母への侮蔑の言葉)
に対する父親の叱咤が
「人間には、口にだしてはいけないことがある!」。
これって、考え自体は否定していないっていうことでして。
「人間の約束」というタイトルを思い出すと
さらに背筋がぞっとしてしまって。

水鏡というモチーフもまた。
ただの鏡でさえ、ずれがあって怖いのに、
さらに揺れまで。


病院の「10円」おばあちゃんのシーンでは頭が真っ白になるし。
こわいこわい、こわい映画です。
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2008年06月24日

一回観た作品だったのですが、走りました。
『盲獣』
白石依志夫さん特集その5。


最初に観たとき(→2006年09月23日記事 「異 触 獣」)は
乱歩原作、増村と緑魔子、という点で呼び寄せられました。
今回は船越さん再評価の意味もこめて。
60年代になると、あんなにも危ない人になってしまう。
色気は相変わらずですけど、
役の不気味さと相まって、ヘビナワ調。


2年のうちに原作も読みましたが、かなり違いますね。
乱歩自身の評に、

「この作品に取り柄があるとすれば、
〈触覚芸術〉という着想であろう。…(略)…
もしこの着想だけを中心にして短編小説を書いたら、
面白いものができたかもしれない。」
      (江戸川乱歩全集3「蜘蛛男・盲獣」より)

というものがありますが、
それを実現したらこういう作品になったのかもしれません。


でも、触覚の世界に溺れていく2人といっても、
最終的には自分の痛覚に走ってしまってますね。
2年前には思いつきませんでしたが
そもそも触覚がはたらくのって、
触るときなのか触られるときなのか。

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2008年06月22日

ヒルガオ科




ルイス・ブニュエルの『昼顔』と、
昼顔の「その後」を撮ったオリヴェイエラ監督の『夜顔』二本立て。


ブニュエルの奇妙さはこの作品に限ったことではないけれど、
やっぱりワケワカンナイ。キモチワルイ。
生理的に、吐きそうになる空気を
なぜかカメラワークとか、脚本だけで作ってしまう。
昼間、夫に秘密で娼婦をする妻…と、
それだけだったらば単純に進むはずなのに
どうしてこうも、不快感を感じさせるリズムを作るのでしょう。
ダリの友人というのが頷けます。
たしかロルカも同級生だったんですよね。
スペイン、濃すぎです。






オリヴェイエラ監督作品は初でした。
うーむ、『昼顔』の続きを撮った作品、という時点で
きっと絶賛はしないとは思っていたのですが
やっぱり、興奮はできませんでした。

役者二人は上手かったし、
「撮る」のも高い技術を持ってるとは思いますが
どうも内容が。


「夫は知っていたのか」という主題以外のところで、
解釈を強く出し過ぎてます。
マゾだとか、夫を愛しすぎた故とか。
抵抗ある人も少なくないのじゃないかな。


ところで、「夜顔」ってあまり聞きなれなくて、
「夕顔」じゃだめだったのかな?と思ったら、
夜顔=夕顔だったのですね。
ヒルガオ科だそうです。
でもこの作品はヨルガオ科になっていて、
やっぱりブニュエルと同種とは思えません。
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2008年06月21日

目に青葉 山ほととぎす

初鰹。
カツオ観に、葛西臨界公園の水族館へ行ってきました。
初のはずはないし、食べるわけではないのですが。
(それに実はカツオを観に行くという確固とした目的が
 あったわけではなくて、
 行ってからカツオに夢中になっただけなのですが。)
でもちょうど、目に青葉〜初鰹な時期。
ほととぎすも探せばいるのかな。



sakana.jpg

(なぜかデジカメ忘れてしまったため、
性懲りもなく、いただきもの写真です。)





水族館てくらくらします。
水と魚の動きがなめらかすぎて。
すいすい動くかと思いきや、停滞したりして。



nanngokutyou.jpg

ナポレオンさん(たぶん)。
よく「同じ空の下」と言うけれど、「同じ海の上」と言わないのは
こういう魚が日本に生息することはまずないだろうと
思わせるから…というわけでは、ないのでしょうけど
でもここまで違うってすごいですよね。



not plant.jpg

植物ではなくて、これも動物。
タツノオトシゴから草が生えている様な。
そういえばイソギンチャクとかサンゴとかクラゲとか
ああいうのも動物なんですよね。
謎です。



peng.JPG

それでペンギンが鳥だったっていうのも
思い出してさらに混乱。



katsuo.jpg

でもいちばん錯乱させられたのはカツオさん。
ぴかぴかしてて、ごつくて、でもマグロに比べたら小さいもんで。
スピードびゅんびゅん。無表情。
頭と胴体が固定されていて、しっぽだけが動いている感じ。



マグロの餌やりも迫力満点でした。
あんな速く泳いでて、よくぶつからないもんですな。
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2008年06月15日

1/3

脚本家・白坂依志夫さん特集その4
『嘘』

オムニバス映画です。
第一話「プレーガール」
監督:増村保造 脚本:白坂依志夫

これが白坂さん分。
プレーガールプレーボーイの男女のお話で、
軽快ですが、監督が増村なので、重心がちゃんとあります。
江波さんが少し出てますが、これが可愛くて可愛くて。

第二話「社用2号」
監督:吉村公三郎 脚本:笠原良三
叶順子さんが主演で、相手役が川崎敬三さん。
川崎さんも最近よく見かけますが、
自分の中では船越さんとセットです。
(第三話にちゃんと船越さんが出ています。)


第三話「三女体」
監督:衣笠貞之助 脚本:新藤兼人
脚本が新藤さんなので、
やっぱり乙羽さんが出ています。綺麗でした。
男を殺した女と、男の妻二人の三女体の話。
前2話に比べ、前面にシリアスが。
殺されるのが船越さんなのですが、
やっぱりこういういい加減な男の役が合うな。
太宰の役とか、できるかもしれない。


三話とも面白かった!です。嘘じゃなく。
オムニバスって、
短い時間で余韻が残してくれるものが好きなのですが
これはまさにそうでした。
でも長く撮っても面白そうなんでしたが。
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2008年06月12日

Time Adventure with Strings

「Tiny Adventure with Strings vol.13」@吉祥寺マンダラ2


酒井俊さん with Stringsのイベントにまたまた。
今回の対バンは秋山羊子さん。
なんかふしぎなお方でした。
寺尾紗穂さんに通づるものがある気がします。


酒井さんたちは、少々お疲れ気味?にも観えたけれど、
それでもレベルが落ちないところが…。

当初に比べ、日本語の曲が増えてきましたね。
英詩は英詩でぴったりくるし、
どちらも雰囲気を一瞬でつくってしまう。
正式な題名がわからないのですが、
小学校の曲(即興の語り入り)なんぞ聴いていると、
タイムトリップしたような気分にまでなりました。
時間の過ごし方としては理想的。


相変わらずの迷宮的なMCと、
聴きたいことを忘れていた「ミルクティー」を
耳にすることができて
久々に息抜きできた感じです。
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2008年06月08日

惜しまれつつ


脚本家・白坂依志夫さん特集その3
『永すぎた春』




若尾文子と川口浩って、どちらとも増村のイメージが強いんですが
これは別の監督さんです。
役柄も全然違うタイプですし。


もうちょっと危うげなお話かと思っていたのですが
さわやかな文芸ロマンでした。
やっぱり若尾さんでさわやかな純愛ものはどこか違和感があります。
原作が三島由紀夫っていうのも俄に信じがたい。
(読んでないからなんとも言えませんが。)


若尾さんより川口さんより、
兄役の船越英二さんの存在感の方が強かったです。
ここ最近、船越さんが出てくる映画によく当たるのですが
色男ですね。
『卍』『盲獣』から入ったので
どちらかというと個性派俳優かと思っていたら
若い頃(50年代)は軟派な役が多そうで、
印象が変わりました。
でもどっちも合ってるからすごい。
そういえば、昨年亡くなってしまったのですよね…。
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テラヤマ克服記





「映像実験ワールド」を五分で断念したのは19の頃でしたか。
それ以来、自分はいつテラヤマを克服できるのだろう、と
そんな意識が常にありました。
テラヤマをちゃんと観れないうちは、映画を語れないのでは、とか
一種の通過儀礼的な存在に。


それでようやくこの日、その境界線を渡ることができたのです。
それも突然2本立て。荒療治です。
『書を捨てよ旅に出よう』『田園に死す』


『書を〜』は舞台のようでした。
冒頭での主人公の独白から既に。
このひとはやっぱり一つのジャンルには留まれないのでしょうな。
文学だってどうしても入っちゃうし。
「お芝居みたい」な印象は劇中もずっとあったのですが、
最後の最後もカーテンコールみたいになっていて、更にでした。
身構えていたよりも観やすかったです。


『田園に〜』の方が、自分の中でのテラヤマイメージに近かったです。
主人公の男の子がかわいんです。
白塗りの村人や、
テント小屋の風船女。
それと、八千草さんの美しさったら!!

三上寛さんも出てました。
3月に観たとき、テラヤマ的なお方だと思ったら
ほんとにテラヤマ一族でしたな。
全然変わってません。


さて、2本、観れたわけです。
少しはあっち側に近づけたのかな。
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2008年06月01日

ココロのチケット

「sunday of songwriters ensembles」@吉祥寺マンダラ2

たけのこゼリーに秒殺され、具合悪くして向かった吉祥寺。
Warehouseと柳原ライブ。1月以来になるのだったっけ。


大坪さんが少し喋ってくださって、
これは(おそらく今回のイベントの企画者の)勝井祐二さんに曰く
「大坪さんのステージ上の話なんて、4年に一度聞けるかどうか…」
と「オリンピック並」に珍しいこととのことです。
前回のやなちゃんライブの方が喋ってましたが。
Warehouseのリーダーになったからでしょうか。

鬼怒さんは今回はそこまでおかしな発言はしませんでしたが、
でも次回のWarehouseと柳原ライブチケットを
「(発売はまだだから)心のチケットを…」とぽつり。
鬼怒さん曰く、
「人それぞれ、芋版のチケットとか…」とのことです。
芋版…?


対バン(というか企画的にはこちらがメインだと思いますが)の
Onikiさんは初でして、
英詞が殆どの歌い手さんライブも久々だったのですが
面白かったです。

詞の意味はもちろんわからないのですが、
曲紹介の話を聞く限りでは、とても興味深い。
"だいたい"しかわからない人や
ブニュエルの映画。
(『欲望のあいまいな対象』。私は観ていませんが…。)




日米で大学教授をやってるというのにもなんだか納得。
日本の運転免許試験に落ちてかなり傷ついていたようですが
そんな心の穴は、
やっぱり心のチケット(芋版)で埋めるしかないのでしょうかね。



posted by Cui at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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