2005年10月30日

彼は昔の彼ならず


どうしちゃったのよ?
と思ってしまう映画監督がいます。
チャン・イーモウ監督、
あなたはどうしちゃったんですか?

テレビで『LOVERS』が放映されていたので、観ました。
吹き替えでしたが、観ました。
この作品、公開時に観た知り合いからは
「観ない方がいいよ」なんて言われるほど不評の嵐で、
個人的にも元々そんなに期待していなかったので、
まぁ吹き替えでもいいか、と思いまして。
(ただ、役者は好きな人揃いだったんで、そこで躊躇してしまったのですが。)

普段は、映画を吹き替えでは殆ど観ません。
吹き替えというのは、役者の演技の半分を無くしてしまうように
感じてしまうからです。
声優さんに問題があるわけじゃなくて、
やっぱり、リアクションの仕方や言葉のリズムは
その土地の言葉そのものにも関係してくると考えてるので、
土地単位、人単位での演技に踏み入ってしまうのは
どうにも抵抗があるんです。

もちろん、字幕だったら完璧かというとそうでもなくて、
翻訳もそれは重要な、へたをしたら一言で映画全体に
影響を及ぼす要素であるとも思うのですが。
(たまにとびきり気の利いた訳がついたりして、
その場合は許してしまうんですけどね。)
一番いいのは、やっぱり生の言語を直接取り入れられること。
けど、それは難しいんですよ。
中国語は、聞き取れるものもあるんですが、
全部はまだまだ無理です。

ええと、作品の話に戻ります。
『英雄』から、イーモウの作品は変わってしまいました。
つい笑ってしまうようなCGを、どうも真面目に入れてしまってるようです。
前はもっと自然と感情の雄大さを活かした作品を撮っていたはずです。
CG技術そのものを批判しているわけではなく、
その使い方がどうもおかしい。
CGは、そのデフォルメの力に利点があると思うんです。
迫力だったりギャップだったりを、デフォルメを使うことで
効果的に持ってくるものなのに、
「CGによる自然」という考えを引き摺りあるいてて、
作品をボロボロにしてしまってるよう感じます。

いっそのこと、歌劇やダンス劇にしてしまえば
もうちょっとよくなるんじゃないかな?と感じます。
けれどストーリーも期待していたよりは入り組んでなくて、
ラストも…どうなんでしょう?あれは。

けれどイーモウ監督は、
いい作品も撮れる人。
きっとCGには向いていない監督なんです。
これからの作品にも、まだ希望は捨てません。
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2005年10月28日

ホーム・ベース


Gさんライブ@下北沢lete

今月も行ってまいりました。
下北の風も随分冷たくなってきました。
けれど例年に比べれば、あったかい秋です。

Gさんは少し太ったのか、それとももう見慣れてしまったのか、
前日がこれまた痩せてる知久さんのライブだったからか、
今回はあんまりぎょぎょっとせずに済みました。
それでも机の上には持参の生姜紅茶(おそらく)。

曲も全体的に、悪い意味ではなく地味な感じで、
MCもそんなに多くなかったので、
秋深まる季節と合っていました。

MCは殆どが知久さんとまわった岐阜・三重ライブでの話。
そのなかで、「ピアニカ弾いてる時がいちばん楽しかった」
と振り返ってました。
「しょぼたまは、今思えばいいところまでいってたのに、
惜しいことしたな」なんていう、独り言的なことまで言ってましたね。
確かに、しょぼたまはパスカルズにも近かったけれど、
Gさん個人にも合っていたように感じます。
私がしょぼま聴いたのはたま解散後なんで、
こんな言い方するのもおかしいですが…。

それにしても、ベースのべの字も出てきません。
ソロでは主にギター・ピアノの弾き語りだもんで、
今となってはエコーユナイトを除いてはほぼ
ベースをもつ姿が観られませんが、
個人的にはGさんのベースも非常に好きなので、
正直もったいないなぁと感じます。

今月はカレンダーに関してもトラブルは起きず、
めでたしでした。
11月のカレンダーもなかなか、力作でございます。
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想いあふれて


こんなに内容を知らずに観ようと思うこともそうそうないです。
監督も役者も知らず、広告も観ず、
ずっと前から知っていたわけでもない映画。
どうして観たいと思っていたのか。
それは単に、ボサノヴァが好きだったから。
私の思考はボサノヴァのリズムよりも軽いようです。

「映画、『黒いオルフェ』で脚光を浴びたボサノヴァは…」
このような記述を本の中に見たのは、去年のこと。
映画も好きな私はずっと観てみたいと考えていたのですが、
ようやくその機会を得ました。

知っているメロディがいくつも流れましたが、
想像していたよりもボサノヴァの出番は少なかったです。
リオのカーニバルが舞台なんで、サンバも同じくらい使われてましたし。
けれどおまつり以外の、なんともけだるいような
ゆったりした時間に、しっとりと流れるボサは
やっぱり素敵。

「オルフェ」の話は知っていましたが、
題と内容を頭の中で一致させておらず、
映画ではストーリーが現代風にアレンジされていたこともあって、
観終わってから「あの話かぁ」と思い出しました。
知っている曲が流れてしまうとどうしても映像への
集中力が途切れてしまって、
ちゃんとした感想が書けないのですが、
「オルフェ」のアレンジもまぁまぁ面白かったです。
コクトーも「オルフェ」は映画化しているようなので、
いろんな「オルフェ」を見比べるのも楽しそうですね。

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2005年10月27日

らんちう、渋谷を泳ぐ。

知久さんゲスト出演ライブ@渋谷O-nest

まさか知久さんを観に行くのに渋谷とは。
しかもネストですよ。
もちろん今までにも何度も渋谷でやったことはあるんでしょうが、
それを観るのは初めてのことでしたし、
お月様もお星様も存在感をなくす街と知久さんが
どうにも不似合いに感じて。
知久さんくらいベテランなら大丈夫なもんなのかなぁ、
と余計な不安を携えていました。

けれども、実際観てみるとそこまで違和感がありませんでした。
ちょっといつもより音が大きいな、くらいで。
曲目は以下のようになっていました。

・ゆめみているよ
・らんちう
・いわしのこもりうた
・電車かもしれない
・おるすばん
・いちょうの木の下で
・月が見てたよ−Over Stay-


「らんちう」は、赫ーいライトが曲と合っていて、
渋谷とは思えないようなどっぷり重い空間をつくってました。
語りの部分、知久さんがやる語りは
「死んだ魚の目をのぞく子供」バージョンしか
聴いたことがなかったのですが、
今回は「さびしい夜に吠える犬・兄・犬」バージョン。
(バージョン名は適当です。)
語りの途中でテキパキとはっきり喋るところがあって、
そんな喋り方もできるんだ!と
妙にどっきりしました。

会場のノリもよく、歓声や拍手をもらって知久さん上機嫌の図。
かわいいのに貫禄も感じられて、
さすがだのう、と感心したのでした。

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2005年10月24日

トテチテタ

歌姫楽団ライブ@吉祥寺スターパインズカフェ

お店に入ってオーダーしたドリンクを
席まで運んでもらった際、
「今日は、歌姫楽団さんお目当てで?」と
スタッフの方に言われる。
歌姫さんを観に行くのは5ヶ月ぶりだというのに、
ものすごい記憶力。
面が割れてしまってなんだか恥ずかしい。

歌姫はこの日、トリをつとめました。
はじめは舞ちゃんとギター田口さんふたりで、
おそらくカバーと思われる英語の曲を。
それから
・銀座ミッドナイトアワー
・浅草お転婆娘
・Sugar
・Robbn or Johnny
・男五分五分女五分五分
・苺
と続きました。

亀ちゃんがいなくなって、
今までやってた曲はどうなってしまうんだろう?
と心配していましたが、
案外すんなりと聴けました。
ライブでの曲を選んでるのかもしれませんが…。
けれど視覚的にはやっぱり違和感がありました。
未だ嘗てあんなに前に出た縫田さんを見たことがあっただろうか。
それがなんだか妙に淋しく思えてしまったのでした。

私のアイドル、しこうさんのピアノも
変わりなく見とれさせる。
思い通りの音をいつでも自由に出せる人なんじゃないかしら。
羨ましいです。
メンバーも全員音に酔ってるようで、よかったです。
個人的に好きな曲が揃っていたし。
1月にはワンマンがあるらしく
どうにか都合つけて行きたいもんです。


ただ、しこうさんがサポートであり、亀ちゃんが抜けてしまったことは
どうしても考えてしまいます。
正規メンバーはボーカル、ギター、ベース、ドラムの
四人編成ですが、
歌姫の楽曲は、管と鍵盤の音があるに越したことはないものだと
感じます。魅力を最大限に出すには不可欠だと感じます。

これ書いてるのは31日なんですが(更新が遅くてすいません。)、
昨夜のオンエアバトル熱唱編でも見事オンエアを勝ち取って、
どんどん知名度を広げていっている歌姫。
今後の展開に、期待を持ちながら見ていきたいです。
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2005年10月23日

女と女

公開当時から観たい観たいと言っていて、
で、7年ほど経ちました。
『女と女と井戸の中』

これもサイコスリラーな映画。
主演女優二人の演技がうまかったです。

内容やそれについての感想は
ネタバレになってしまうので、あんまり書けないんですが、
うーん、これも「人間の脆さ」が描かれてますね。
「繋がりの脆さ」も同時に。

ふたりが結局どういう関係だったか
(レズ関係にあったか否か、ということです。)
わからないのですが、
そうだったとして、日本よりもずっとナチュラルに出てきます。
日本で同性愛といったものを出すと、
「周囲の目」があることを前提に描かれますが、
外国の映画には「二人だけの視点」で貫徹されてるものも
少なくないよう感じます。
日本はまだまだ、なんとなく差別や偏見が残ってますね。

原題はおそらく『井戸』ですが、
これは邦題の勝ちですね。
「女と女と井戸の中」、
よく思いついたなぁ、という感心しました。
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2005年10月21日

ヘンゼルとグレーテルは

『鬼畜』という映画を観ました。
緒方拳、岩下志麻主演です。

重い映画でした。
サイコスリラー的な要素もあって、
はらはらずしり。はらはらずしり。

押し付けられた三人の子を
妻は虐め、夫は守っていたが、
だんだん追い詰められた夫は
妻と子殺しを共謀するようになります。
はじめから疎んでいるいないに関わらず
最終的に子殺しを実行しようとする、
大人のエゴというものがどんどん膨らんでいく様が
感じとれます。
音楽なども効果的です。
芸術的、という感じではないけれど、
レベルの高い作品だと思います。

岩下志麻様(中学の時から大変憧れております。)
の子供虐めの演技が秀逸。
撮影中、子役が本当に怖がって近寄らなかったというエピソード
を聞いたことがありますが、
あれは、子供じゃなくても恐ろしいです。

蟹江敬三と大竹しのぶの使い方が贅沢でした。
緒方拳は、もっと端からろくでなしの役を演じてる方が
好きなんですが。

児童虐待のニュースは今でもしばしば耳にします。
「ヘンゼルとグレーテル」も子捨ての話。
ヘンゼルとグレーテルは、「本当は善良な」父親の元へ戻り
ハッピーエンドとなりますが、
児童虐待においては、大人の理由を理由にしてはいけないと思います。
切羽詰っていたからといって許されるものではないと思います。
虐待という問題にハッピーエンドはないと考えます。
ヘンゼルとグレーテルは、
自分を捨てた父親と、幸せに暮せたのでしょうか。
「ハッピーエンド」の、
その先は知りません。
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ほんとの話。


『みなさん、さようなら』
という映画観ました。

うううむ、つまらなかった、です。
ラスト30分だけにしたほうがまだよい映画になったのではないでしょうかね。
なかなかひどいこと書いてますね。
あんまり書きたくないんですが。ほんとですよ。

まず、前面に出されているはずの「父と息子の和解」が
そんなに描かれてない。
余命いくばくもない父親のために息子が奔走するのですが、
前半に凝縮されていて途中息子の出番がぱたりと止み、
いつの間にか後半になって和解しています。

あと、前に出したシーンがさっぱり引きずられてなくて、
過ぎてしまうとはじめのシーンを全然覚えてないんです。
それでも成り立ってしまってます。
そういうこともあって、ラスト30分だけのほうが…
という感想です。

シーンひとつとっても、もうちょっとこだわれるのでは?
と思ってしまうものが多々。
監督が違えばまた映画も変わったかもしれませんねぇ。
なんて、ほんとひどいですね。
ごめんなさい。
ほんと、悪気はそんなにないんですよ。
「ほんと」ばっかり言ってる人ほど信用できないだろうことは、
わかってるんですけど。
ほんとに。
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2005年10月19日

エイゼンシュテイン曰く


「ショットを特徴づけているのは、いったい何だろうか。
 それは衝突である。並びあう二つの断片(カット)の
 葛藤。葛藤。衝突である。」


ソビエト映画の巨匠エイゼンシュテインのこの言葉は
意味を完全には理解できてなくても、
どうもずっとずっとひっかかってる言葉です。

チェコアニメーション特集を観てきました。
いくつかプログラムはありましたが、
ヤン・シュヴァンクマイエル短編集を選びました。

彼のアニメを観るのは初めてでしたが、
もう、ものすごくショックでした。
また一人、映像詩人を観ちゃったなという感じで。

カットの衝突。

ショットの効果。

ひとつひとつのシーンもものすごく丁寧に、ショッキングに
作られてます。
決して後味のいいものばかりではありませんが、
なぜだかどこか気持ちいい。

とりわけよかったのは
『シュヴァルツゲヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』
『ドン・ファン』

わたしはきっと一生ドラッグとは無縁に過ごせます。
映画でトリップできちゃう人間ですからね。
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2005年10月17日

傷だらけの天使に再放送の話を


映画ではなく昔のテレビドラマですが、
『傷だらけの天使』のビデオを借りて家で観ました。

ショーケンも水谷豊も(岸田)今日子ちゃんも若い!!
このドラマは未だにファンもいる、
「伝説のアクションドラマ」のひとつのようですが、
これや『太陽にほえろ!』などはその知名度のわりに
『探偵物語』や『あぶない刑事』に比べると
再放送率はぐっと下がるよう感じます。
私自身、これの再放送は観たことがなく、
ちゃんと一話観たのは初めてです。
ショーケンの経歴を語る上で紹介された、
という姿で知ったのかもしれません。
ぜひとも昔の人気ドラマを
ちゃんと再放送してほしいんですが……
テレビ局関係者の方、読んでいたら、検討お願いします。

高校時代にこのドラマのサントラCDを
ひょんなことから聴いて、気に入って、買って、
それから観たいという気持ちは強く持っていたのですが、
あまりチャンスがなく、ようやくこうして観れたということになります。

やっぱりかっこいいですわ、ショーケン。
こわいから近づけないけれど、
視界に入ってたらすぐ惚れてしまいます。
この作品の中でショーケンは
「無茶なことはするけど悪人にはなりきれない人」の役ですが、
どちらかというと私は、
「明らかに偽善的な笑みを浮かべてる、絶対善人ではない人」
という感じのショーケンの方が好きです。
信じる要素なんて一つも持ってないのに、
どうしてか気になってしかたないような存在。
ショーケン本人にそういうイメージを抱いてるのかもしれません。(失礼。)
今はそういう、その人自身にオーラのある役者も減りましたね…

第一話、第二話を観たのですが、
第二話のゲストである緑魔子がものすごくかわいかったです。
この人も雰囲気のある役者さんです。
70年代もお洒落だなぁ〜
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2005年10月13日

音楽に国境なし

キッチンライブ@吉祥寺スターパインズカフェ

やや久々のキッチン。
軽快な曲が多くて、
鈴木さんのパーカッションもきいてて、
全体的に楽しい空気が流れてました。
セットリストは…

1.市ヶ谷
2.ブックカバー
3.晩夏
4.カメラ
5.鍋の仲
6.2月の雪
7.あくびは僕だよ
8.いってらっしゃい
9.働き者

「市ヶ谷」や「カメラ」はなんとなく(私が)久々に聴いた感が
あり、やや新鮮でした。4人編成で聴いたのは初めてでしたし。
「2月の雪」は詞で思い出すものがあって
心の中でうぐぐ、としていました。

キッチンの後に出たZUMという、
ギターのみのアンサンブルバンドさん、
ものすごくかっこよかったです。
アルゼンチン人がメンバーにいて、
オーストラリア人がゲストに出て、
耳からも目からもかっこよさを堪能しました。
普段はギターよりもベース派なだけに、
久々にギターが眩しかったです。
CDも欲しかったけれど手持ちがなくて...。
ZUMさんは世界を回っているグループのようです。
グローバル化が進んでいるといえども、
私にとって世界はまだ遠い…ので、
また日本で出会える日を期待します。

帰る時にキッチンの溝口さんとゆかりちゃんに
遊んでもらい、
うきうき気分で家路につきました。
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2005年10月05日

憎みきれないろくでなし


そして映画を二本。

ひとつめが『大いなる休暇』
一人のお医者さんを島に住まわせようと、あの手この手で
「島に恋させる大作戦」を実行する島民たち。
嘘ばかりをばたばたと並べている姿が愛らしいです。
映画自体も、決してつくりが上手いわけではないし、
斬新と思える個所があるわけでもなく、
こういう話はこれまでにいくつも作られてきたのだとは思いますが、
なんでだか憎めません。
ほのぼの観てられる映画です。

ふたつめが『さよなら、さよなら、ハリウッド』
ウディ・アレンの作品には、
やっぱりウディ・アレンです。
ウディの作品を一番理解し、そして一番効果的に演じられるのはウディで、
役者としてのウディを一番魅力的に描ける監督もまたウディなのでは
ないでしょうかな。

またしてもおかしな監督(たいていパートナーはいけすかない同業者に
盗まれてしまう)の役で、
トラブルを巻き起こしたり巻き込まれたり。
今回は心身症で目が見えなくなってしまった監督が
周囲にばれないように映画を撮りつづけていく話ですが、
かわいいったらないです。
あわあわと慌てたり、どもどもどもったり、
ウディ・アレンの魅力満載。
慌しくドタバタ過ぎていくシーンも、丁寧に撮られてます。
ラストもよかったです。
「ビバリーヒルズ青春白書」のバレリー役をやっていた女性が
出ていたのにちょっと驚きました。
ウディの作品に出てくるとは……。

ふたつとも、出てくる人はかわいいです。
ろくでなしだけれど、憎めません。
かわいいひとは得をします。
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2005年10月03日

泣いて許してもらおうなんて


映画を誉めるとき、「泣ける」という言葉がよく使われてます。
使われすぎです。
「泣ける」のも、もちろん一つの誉め言葉ですが、
泣ける映画がいい映画かっていうとそういうわけじゃ
ないと思うんです。
「あなたはこの映画を観て泣きましたか?」
というアンケートの統計を広告の
全面に出して強調している映画もありました。
これは映画よりもこの広告に問題ありなのかも
しれませんが、
実際、涙だけのために撮られた作品も増えている気がします。
ストーリーに涙するだけで「最高の映画」と言う人も。
涙でしか価値判断ができないのかと
それこそ泣いてしまいそうです。


映画を二本観ました。
ひとつめは『コーラス』
窮屈な寄宿舎に一人の先生がやってきて、
コーラスを教えることでしだいに暗かった生活に光が…。
そんな話ですが、
学校の理事長をあんまり幼稚に描きすぎて、コミカルなシーンも
あったので、「暗さ」がまずあまり強調されておらず、
そのため「光」の存在感が薄くなっている気もしました。
話自体もなんだか雑に作られている印象を受けました。
けれどぺピノ役の男の子があんまりかわいいので、許します。

ふたつめは『海を飛ぶ夢』
冒頭に書いた涙の話は
この映画を観て湧き上がってきた言葉たちによるものです。

つまらない、とかそういう以前に、
この監督の映画に対する姿勢が、私とはあんまり違う方向を向いてるんで、
共感することができず、面白くない時間でした。
(ストーリーのことを言ってるんではなくて、
「映画」全体に対して。)
尊厳死をテーマにした作品です。
尊厳死については自分としてもあれこれ考えることはありますが、
この映画でどうこう、ということもなく、
「高瀬舟」を再読したり、
この映画の原作となった、尊厳死を選んだ人の手記を読んだりした方が
ずっと純粋に考えられる気がします。

この映画は、ちょっと「お話」にしすぎて、
それで涙を誘おうという魂胆が見えてしまって、
それなのにエンドロールの最後に「事実に基づいた」なんて
いう文字を出すいやらしさが、
尊厳死という深刻なテーマを軽くしてしまっている気がします。
言いたいことも全て台詞に言わせてしまっているので、
映画の可能性が摘まれてしまっているように感じました。


泣いたってしょうがないでしょう。
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2005年10月01日

キュビズム・ソナタ

東京国立近代美術館へ、『アジアのキュビズム展』を
観にゆきました。

キュビズム、実はそんなに興味があったわけじゃなくて、
むしろピカソやブラックがはじめに描いていた作品などは
他の作品に比べて好きじゃありませんでした。

けれどもどっこい、展示、面白かったです。
キュビズムといえば、ピカソとブラックが始めて、
それにはセザンヌの影響を受けたりして…、と、
私の頭の中ではヨーロッパにしかなかったものだったのですが、
その名も「アジアのキュビズム」展ですから、
並べられているのは日本、中国、韓国、インド、フィリピン、ベトナム、
インドネシア、タイ、スリランカ……
アジアの国々です。

そしてそれらの作品、私の好みに合うものが多くて、
自分は決してキュビズムが嫌いなのではないし、
もはやキュビズムはキュビズム/それ以外なんて
分け方はできないくらいに
画家達に咀嚼・吸収されたのだとわかりました。
あーなんだか言いたいことがうまく文にできません。
言いたいことがあるのかすら、よくわからず、
未だ頭の整理がなされてません。
そのくらい衝撃的でした。

もうひとつ衝撃というか、自分で意外だったのが、
韓国の画家の作品に、好きなものが多かったよう感じたことでした。
世間では韓流、韓流と騒がれていましたが、
私自身に韓流は訪れてなかったんです。
もともと流行にはあまり関心をもたない方なので。
けれどもこんなところで韓流(とまではいかないかもしれませんが)。
日本での韓流が去る前に、
韓国絵画をメディアにとりあげてもらいたいのですが…
だめですかね。

韓国だけではなく、インドのスブラマニヤンなど、
好きな画家が増えて、嬉しい限りです。

常設展ではまたしても風船画伯(谷中安規さん)に出逢いました。
今年はなんだか風船さんに縁があるようです。
やっぱりかわいらしい版画です。

萬鉄五郎さんの「雲の下の自画像」が観れなかったことだけが
残念ですが、
大変素敵な美術館鑑賞の時間でした。
posted by Cui at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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